会長挨拶

第82回日本皮膚科学会東部支部学術大会
会長 山本 明美(旭川医科大学皮膚科学講座 教授)

この度、第82回日本皮膚科学会東部支部学術大会を旭川市で旭川医科大学皮膚科学教室が担当させていただくことになりました。旭川市での開催は2003年に飯塚一名誉教授が第67回を開催されて以来、15年ぶりの開催となります。今大会のテーマは 「For Dermatology in the Future 」としました。今学会を、これまで私たちが受け継いだ多くの先輩からの知的財産をこれからの皮膚科学の担い手にどのように残し、継承・発展させてもらうかを考える機会としていただければと思います。そのため今大会では将来一人でも多くの若者が皮膚科を専門領域に選んでくれるように、医学部学生は参加費無料とし、「学生さんへのメッセージ」セッションにて大阪大学の玉井克人先生と杏林大学の大山学先生に皮膚科学の面白さを語っていただきます。皆様の教室への入局者獲得につながる可能性が大いにありますので、ぜひ多くの学生さんに参加をお勧めしてください。

近未来の医学はどのような形になっているでしょうか。特別講演では旭川医科大学学長の吉田晃敏教授にクラウド国際遠隔医療についてお話しいただきます。本学がいま最も力を入れているグローバル医療の先進的な取り組みの数々をご覧ください。また、文化人講演は医療界でも問題となっている男女共同参画や働き方改革をはじめ、多方面での発言が注目されている経済評論家、勝間和代様にお話しいただきます。また今後は外国人居住者や観光客が急速に増えると考えられることから、教育講演では日本大学医学部医学教育センターのEric H Jego先生にクリニックに外国人患者さんが受診された場合の具体的対応を教えていただきます。また、社会の高齢化に伴って増えている下肢潰瘍の外科的・先進的な治療について旭川医科大学外科学講座の東信良教授にご講演いただきます。一方で心のケアが必要な患者さんや家族への対応も益々必要とされていくでしょう。東部支部で初めて皮膚科心身医療のシンポジウムを開催しますのでご期待ください。

海外からの招請講演としては、英国キングスカレッジのJohn McGrath教授が遺伝性皮膚疾患の診断と治療の現状と将来の可能性についてご講演いただきます。親日家のMcGrath教授のユーモアあふれるお話が聞けるものと思います。さらに米国カルフォルニア大学サンディエゴ校のAnna Di Nardo先生には皮膚自然免疫のマスターレギュレーターとしての肥満細胞の多彩な機能についてご講演いただきます。肥満細胞がいかに働き者であるのか、多くの驚きが待っていることと思います。

私の専門領域は電子顕微鏡法(電顕)を用いた皮膚科研究ですが、現在、電顕を自前で実施できる皮膚科学講座は数えるほどになってしまいました。昨年、私の恩師で表皮水疱症の電顕研究の第1人者であった英国キングスカレッジ名誉教授のRobin Eady先生と、電顕の世界的な権威であったウェイン州立大学医学部名誉教授のKen Hashimoto先生が相次いで他界され、皮膚科領域で次世代に電顕の技術と知識を伝える仕事は私がやらなければならない、と考えるようになりました。そこで今回は参加者への記念品として、正常皮膚の電顕写真を解説とともに電子データで USB メモリーに入れてお配りします。画像は講義や講演などに自由にお使いいただき、電顕を後世に伝える手段の一つとして役立てていただければこの上ない喜びです。

さて、学会終了翌日は祝日です。近郊にでかけて北海道の自然を写真に収めるのはいかがでしょうか。北海道在住のプロカメラマン中西敏貴氏による美しい美瑛地区の写真と撮影秘話が盛りだくさんのトークショウをご用意しましたのでお楽しみください。また今回の学会の同じ会場で3日前からヨーロッパと日本の皮膚科領域のイメージングの学会(皮膚かたち研究学会)のジョイントセミナーを開催します。2つの学会とも参加される皆様には参加費の割引がございますのでぜひご利用ください。多くの皆様のご参加を教室員一同、心よりお待ち申し上げます。